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社会問題と言われる「空き家問題」、いったい何が問題なの!?

テレビや雑誌でよく取り上げられる「空き家問題」。


2018年の住宅・土地統計調査で、空き家は846万戸まで増え過去最高、

2033年には1955万戸まで倍増すると推計されている。

今後益々「空き家問題」は社会問題化していきます!


という話を皆さんよく聞かれているのではないでしょうか!?


しかしながら、社会問題化していると言われても、ピンと来ていない人が多いように感じます。


では、なぜピンと来ないのかについてと、

いったい自分達にとって、どんな問題が降りかかってくるのかを解説します。

私のところに相談に来られる方に、実家が空き家状態という方が大勢いらっしゃいます。


しかしながら、「空き家問題」として深刻に考えているひとはほとんどいらっしゃいません。


それは何故かというと、


国交省等、一般的に叫ばれている「空き家問題」の主旨は、


老朽空き家による


1.防災性の低下(倒壊、崩壊、火災など)


2.衛星の悪化、悪臭の発生


3.景観の悪化


この3つです。


つまり、空き家が老朽化することで、

危険度・匂い・見た目などによって地域へ迷惑をかけることが問題だと言っています。


そうすると、多くの方はこう思います。


「うちは実家が空き家だけど、近隣に迷惑をかけるほど老朽化していないから大丈夫、関係ない」と。


つまり、認識する問題が違うので、ピンと来ない訳です。


ところが、実際には「空き家」となることで、個人に様々なリスクが降りかかります


1.そもそも空き家を管理することのリスク


既に空き家を長年管理されていらっしゃる方はこう言います。

「もう本当に大変!どうにかしたい!」


敷地内の草刈り、郵便物回収、風通し、災害対応、虫や動物の侵入対策など、

様々なことに労力やコストが発生するからです。


その結果、空き家管理の労力・コストが心的負担となっている人が多いのです。


2.犯罪に巻き込まれるリスク


空き家は、とても犯罪に利用されやすくなります。


以前にニュースとなっていたこともありますが、犯罪者が空き家に潜伏するケース。


私の身近なところでも、窃盗犯が未管理の空き家に潜伏し、

近隣から盗んだ貴金属をその空き家に集めていた。

とか、すぐ隣の空き家実家に不審者が潜伏していた事例など多数あります。


空き家が犯罪に巻き込まれると、近隣から空き家所有者に対して罵声を浴びせられるような

こともありますので、気を付けたいものです。


3.火災(特に放火)のリスク


犯罪と同義となりますが、空き家に不審者が侵入して、冬場に火を焚くケースもよくあります。


この場合、その不審火が火種となって火災が発生し、近隣まで類焼したとすると、

空き家所有者の管理状況に問題があれば、重過失責任を問われ、

類焼被害者から損害賠償をしなければならない可能性があります。


しかも、仮に火災保険に加入していたとしても、重過失責任を問われた場合、

火災保険はおりないことは言うまでもありません。


つまり、自費にて損害を賠償しなければならないわけです。


4.不動産価値の低下リスク


比較的多いのは、「親が残した大切な財産だから、空き家とはいえこのまま保存しておきたい。」です。


お気持ちはわかります。


もちろん、いずれ誰かが使う予定があるのであれば、労力やコストをかけるというリスクを取って、

空き家を管理し、維持していくことも判断としてありますね。


しかし、誰も住まい、誰も使う予定が無いとしたらどうでしょう!?


むしろ、後者の方が多いのが現実です。


つまり、誰も住まない、誰も使う予定は無いが、親が残した大切な財産だから、空き家とはいえ

このまま保存しておきたい。

という人が圧倒的に多いように感じます。


その場合、

いずれ、不動産という財産ではなく、「負動産」という負担を持ち続けるリスクが発生する可能性があります。


その要素はいくつもあります。


①今後、最大ボリューム層の団塊の世代の相続が発生するようになり、不動産の売却が増加する。


②2022年問題で、生産緑地が解除され、今後売却に流れていく。


③まだまだ、区画整理を進めていく行政も多く、住宅地の不動産供給が増加する。


④その一方、住宅需要は今後激減していく。


つまり、今後、「住宅地」の不動産供給は増える一方に対し、「住宅地」の需要は減る一方なのです。


使いもしない実家を、労力やコストをかけて維持管理した結果、負担を一生背負うことになりかねません。


というように、空き家問題というのは、近隣への影響問題はもちろんのこと、

個人に降りかかる大きな問題というのが、これからの最大社会問題です。


いずれ空き家化、あるいは既に空き家を所有している方は、自身に今後降りかかる問題を充分に予測して、

どうするかの選択肢を考えていただきたいのです。

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