相続土地国庫帰属制度の正しい使い方とは!?以前の記事で相続土地国庫帰属制度について解説いたしました。法務省の発表を見ると、令和6年8月末までの申請数は2600件弱、実際に帰属した土地は800件弱とのことです。申請数のうち、約3割が帰属に至っているという計算です。逆に言えば、申請数のうち、約7割は帰属に至っていないということです。(理由は様々だと思いますが。)そう思うと、やはりなかなか難しい制度のように感じます。そこで、今回は、相続土地国庫帰属制度を適切に活用するためのステップについて解説いたします。まず大切なことは、真っ先に相続土地国庫帰属制度を申請しないことです。理由は、以前の記事で解説したように、かなりのコストがかかる可能性が高いからです。では、どうすれば良いかというと、最初にやっていただきたいことは、「ただでもいいから」誰かに喜んで使ってもらえないか引き取り手を探すことです。農地は農地法等の規制があるので難しい場合も多いですが、ファーストステップはコストを最小限に抑えながら引き取り手を見つけられないか、徹底的に手を尽くすことが大切です。その手法としては、インターネットを上手く使うことをお勧めします。なるべく地元の不動産屋に相談する選択は避けたほうが無難です。 お互いに不幸な結果となり易いものです。手を尽くした結果、上手く引き取り手が現れればそれがベストですが、どんなに手を尽くしても誰も引き取ってくれない場合の最後の手段として相続土地国庫帰属制度を使うという使い方が正しい方法です。最近では、民間の団体(一般社団法人等)で、不要な不動産を有料で引き取るサービスを始めているところが複数出てきておりますが、おそらくいずれ問題になることが想定されます。どういうことかというと、どの団体もビジネスとして展開しているわけですが、目先の利益を得て不動産を取得し、その後活用することなく、維持管理のみをするだけの仕組みのため、ただただ使えない不動産のストックが増え続けていくだけとなります。つまり、ビジネススキームとして「自転車操業」スタイルなので、いずれどこかで行き詰る可能性があるのです。ほとんどの団体は法人格で不動産を取得しているため、事業が立ちいかなくなるなどの諸事情で法人を解散する、または法人は残っていても運営者が不在となった場合、その法人所有の未管理不動産が「腐動産」として残ることになります。現在問題になっている老朽放置ホテルなどと同じ状態です。所有者の許可なく手を付けられないが、所有者は実態のない法人で判断能力がない。つまりは所有者不明土地と同じ状態を作り上げてしまいます。本来であれば、国や監督官庁が今のうちからルールを整備すべきですが、現在のところ無法地帯です。聡明な方は、なるだけ、こういった一時的な利益追求のためのビジネス団体を利用するのではなく、正しい方法で手続きをしていただきたいと願います。
以前の記事で相続土地国庫帰属制度について解説いたしました。法務省の発表を見ると、令和6年8月末までの申請数は2600件弱、実際に帰属した土地は800件弱とのことです。申請数のうち、約3割が帰属に至っているという計算です。逆に言えば、申請数のうち、約7割は帰属に至っていないということです。(理由は様々だと思いますが。)そう思うと、やはりなかなか難しい制度のように感じます。そこで、今回は、相続土地国庫帰属制度を適切に活用するためのステップについて解説いたします。まず大切なことは、真っ先に相続土地国庫帰属制度を申請しないことです。理由は、以前の記事で解説したように、かなりのコストがかかる可能性が高いからです。では、どうすれば良いかというと、最初にやっていただきたいことは、「ただでもいいから」誰かに喜んで使ってもらえないか引き取り手を探すことです。農地は農地法等の規制があるので難しい場合も多いですが、ファーストステップはコストを最小限に抑えながら引き取り手を見つけられないか、徹底的に手を尽くすことが大切です。その手法としては、インターネットを上手く使うことをお勧めします。なるべく地元の不動産屋に相談する選択は避けたほうが無難です。 お互いに不幸な結果となり易いものです。手を尽くした結果、上手く引き取り手が現れればそれがベストですが、どんなに手を尽くしても誰も引き取ってくれない場合の最後の手段として相続土地国庫帰属制度を使うという使い方が正しい方法です。最近では、民間の団体(一般社団法人等)で、不要な不動産を有料で引き取るサービスを始めているところが複数出てきておりますが、おそらくいずれ問題になることが想定されます。どういうことかというと、どの団体もビジネスとして展開しているわけですが、目先の利益を得て不動産を取得し、その後活用することなく、維持管理のみをするだけの仕組みのため、ただただ使えない不動産のストックが増え続けていくだけとなります。つまり、ビジネススキームとして「自転車操業」スタイルなので、いずれどこかで行き詰る可能性があるのです。ほとんどの団体は法人格で不動産を取得しているため、事業が立ちいかなくなるなどの諸事情で法人を解散する、または法人は残っていても運営者が不在となった場合、その法人所有の未管理不動産が「腐動産」として残ることになります。現在問題になっている老朽放置ホテルなどと同じ状態です。所有者の許可なく手を付けられないが、所有者は実態のない法人で判断能力がない。つまりは所有者不明土地と同じ状態を作り上げてしまいます。本来であれば、国や監督官庁が今のうちからルールを整備すべきですが、現在のところ無法地帯です。聡明な方は、なるだけ、こういった一時的な利益追求のためのビジネス団体を利用するのではなく、正しい方法で手続きをしていただきたいと願います。
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